昨夜、NHKで放送された「ワイルドライフ」の第3弾です。ニューカレドニアの野鳥の、常識では考えられない行動が紹介されました。日本でいえば、オオヨシキリが、托卵されたカッコウのヒナを引きずり出し、巣の外に放り投げたのです。
日本のオオヨシキリやウグイスは、托卵という、恐るべき悲劇の存在を知っているかのように、カッコウやホトトギスが巣に近づくことを極度に警戒しています。しかし、ひとたび托卵が成功すると、親鳥は運命を受け入れ、自分の何倍もあるグロテスクなヒナに大量の餌を運び続けます。
ニューカレドニアの過酷な自然環境の中では、托卵するカッコウの仲間のあいだにも激しい競争があり、前に托卵された卵を蹴落として、新たに自分の卵を托卵する場合がある、といいます。これは、この現象をさらに拡張した、私の仮説です。
托卵する鳥同士の競争は、卵の時期だけでなく、孵化したあとまで続く、と考えても少しも不思議ではありません。実は、孵化したヒナを、最初に巣の外に放り投げたのは、カッコウの仲間の別の親鳥ではないか、という想像です。その様子を見た本当の親鳥が、自分のヒナとは似ても似つかぬ、カッコウのヒナを、巣の外に放り出すことを学習したのではないか、というのが私の仮説です。
仮説はともかく、過酷な環境で暮らすニューカレドニアの鳥が、オオヨシキリやウグイスより学習能力が高く、賢い、というのは間違いないようです。