石狩川でワシが狩りをするところを、じっくり腰を据えて観察しようと、今朝は、車のシートを上げ、車の中に三脚を立てて家を出ました。石狩川の堤防には誰もいません。ワシの姿も見えません。モエレと同様に、持久戦だなと考えていました。
しばらくすると、昨日、この場所ですれ違った中年バードウォッチャーのチョコレート色の車が来ました。ここでは先輩なので、少し離れて様子を見ることにしました。先輩は車を降りて、何か準備を始めたようです。そして、あろうことか、堤防から石狩川へ、雪の上をどんどん下って行くではありませんか。
まだ、来ていないと思っていたワシが、灌木の陰から10数羽、いっせいに飛び立ちました。黒と白のコントラストが美しいオオワシも混じっています。男は、飛び去るワシにカメラを向けて、盛んにシャッターを切っています。
ワシの綺麗な写真を撮って自慢したいだけのバードウォッチャーだったようです。ワシがどこで餌をとり、どこで子育てをするか、ワシの生態を知り、これからもずっとワシを見続けたい、平和共存を願うバードウォッチャーではなかったようです。
写真自慢のバードウォッチャーに続いて、数台の軽自動車が堤防の道で止まり、中高年の男女が10人近く降りてきました。工事でも始まるのかと、一瞬思いましたが、堤防の土手に生える食用の山菜?を採りに来た人たちかもしれません。いずれにしても、ワシが安心して餌を獲れる環境は、高齢化と過疎化の進む北海道でも、著しく狭くなっているということです。
がっかりした気持ちで、久し振りに石狩の防風林を回り、今度こそ、オジロワシの抱卵を確認することができました。かなり離れた場所から、車の中で、手持ちで撮影したものです。無事に雛がかえり、元気に成長することを願っています。