モエレ沼の狩場に着いたとき、そこには「鳥おっさん」ご夫妻と、奥様のお友達がいて、水門のブッシュに止また女帝が、いつ水面に飛び込むか、今や遅しと待ち構えていました。
三脚にカメラをセットして15分くらいたったでしょうか。時刻は、丁度、正午に差し掛かるところでした。1羽の水鳥が、見下ろす高さの低空飛行で、狩場を横切り、観音像に向かって飛んで行くのが見えました。残念ながら、オジロワシは見ていません。
「鳥おっさん」は、飛び立ったオジロワシをカメラで追ったが、水鳥には気付かなかった、と証言しています。
その時、数メートル横から、「水鳥がかわいそう」「魚なら殺されてもいいの?」という、異様な会話が聞こえます。二人は、事件を目撃していたのです。
あわてて、立ち木に邪魔されないところまで三脚を移動し、撮影したのがこの映像です。全16カットから編集してありますが、時系列に沿っています。
狩りから食べ終わるまで、約25分間の出来事です。
長年モエレ沼でオジロワシを観察している「鳥おっさん」も、水鳥を襲うのを見たのは初めてだそうです。
狩りが成功した理由として、1)女帝がよほど空腹だったこと、2)カワアイサが1羽で目標が絞られていたこと、が考えられます。
オジロワシの飛翔能力が、水鳥より格段に優れていることを、あらためて確認しました。首を伸ばして直線的に飛ぶ水鳥は、狙いやすいかも知れません。
後記。「鳥おっさん」の鮮明な写真から、獲物は雌のカワアイサと判明しました。黒っぽい動画では、後ろ髪が立っていることから、ウミアイサの雄の可能性も想定していました。