ラトビアでは、以前から子育てに成功している巣とは別に、もう一箇所、若いオジロワシの巣に、カメラが設置されています。
その映像をチェックすると、今年の3月初めの段階でも、若いカップルはまだ巣を作り続けており、交尾の真似事はしますが、結局、子育ては始まらず、映像の配信は中断していました。
9月1日、この巣の映像配信が再開しました。驚いたことに、こんなに早い時期から既に巣の手入れが始まっており、交尾の真似事さえしています。
しかし、私の見る所、この巣の雌は、雄をまだ信頼していないと思います。一緒に子育てができる雄とは認めていないということです。
確かに、雄は熱心に木の枝を運び、巣作りに貢献しているように見えます。しかし、雌は雄の巣作りをあまり評価していません。趣味が合わないようにさえ見えます。
しかし、雌が雄を評価しない、本当の理由は他にあると思います。それは、雄が巣に餌の魚を運び、それを雌にプレゼントしていないためです。
子育てにとって最も重要な雄の資質は、子育てに必要な餌を十分に供給する狩りの能力です。と同時に、自分で捕った貴重な餌を、自分は食べずに、子育てのため、雌に渡す利他的行動です。この利他的行動を、私は、自然界に共通する愛の原型とよんでいます。
雄に、この利他的行動(愛)を厳しく躾け、同時に、巣の主人公が、身体の大きな雌であることを厳しく認識させるのが、雌の重要な仕事です。
アイオワ州Decorahの白頭ワシは、雄を厳しく躾けました。 何と、雌が雄の背中に乗り、雄に逆交尾の姿勢をとらせたのです。
これも同じです。2度目の逆交尾です。
残念ながら、我が石狩のオジロワシの雌は、雄の躾に失敗しました。あの雄には、雌に餌を渡す習慣がありません。そればかりか、雛のための貯食を、盗み食いすることさえあります。