石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

海獣の死体に集まるオジロワシとトビ

3月23日。快晴の石狩河口は、川だけ見る限りすっかり春です。

綺麗な雌のオジロワシには、ずいぶん長いこと会っていません。

見渡す限りワシは何処にもいないので、ガッカリして帰ろうとしたとき、目尻にトビの群れが入りました。

砂丘の先端よりさらに遠い、河口の防波堤です。

何しろ遠い上に、防波堤の外側で何も見えませんが、海獣の死体が流れ着いたようです。

オジロワシは3羽以上、トビは10羽以上、カラスやカモメも沢山集まっています。 www.youtube.com

帰りに防風林に立ち寄りました。

雌が抱卵しています。

雌の嘴が開き、鳴いているようですが、声は聞こえません。

雄が戻り、抱卵を交替するため、雄を呼んでいるようです。

雌が巣を飛び立ち、鳴き交したあと、雄が巣に入りました。

抱卵のチームワークは、完璧です。

 

世界中のオジロワシと白頭ワシの抱卵をつぶさに観察すると、種とは無関係に、交替で抱卵するつがいと、完全に分業し、雌だけが抱卵するつがいに分かれるようです。 

私見では、雄の狩猟能力がきわめて高いか、天国の巣のように近くに専用の養魚場がある場合以外、完全分業は卵にとって危険性が高いと思われます。

たまたま獲物が減少したり、雄が怪我をした場合、空腹に耐えかねた雌が巣を空け、その間に卵がカラスに食べられる事故が決して少なくないからです。

防風林の雄は、巣に餌を運ばないものの、抱卵での貢献は申し分ありません。

抱卵は、哺乳類の妊娠に相当します。

防風林の雄は、妊娠を50%担う、健気(けなげ)な雄だったのです。