「母はきました、今日も来た」と「岸壁の母」を歌いながら、防風林に着きました。
今日は、いつもより早く、朝7時前に家を出ました。
いつ来ても、巣を守るのは雌ばかりで、餌をもって帰る雌の姿も、獲ってきたばかりの魚を給餌する姿も、まだ撮影していないからです。
実は、4月13日に孵化を確認して以来、毎日かよっていますが、貯食はあるものの、雛への明確な給餌を確認できていません。
7時15分に防風林に着くと、何かいつもと雰囲気が違います。
早朝のせいだろうと、カメラをセットして見ると、雌雄2羽とも巣から出ていて、巣は無防備です。
即座に、悲劇を直感しました。
以下は、私の想像です。
1.4月13日に孵化した雛は、すぐに死に、昨日までは、残る1個の卵を温めていた。
2.今朝早く、卵は孵化したが、餌を食べる前に死んだ。
原因は不明ですが、防風林の繁殖は、3年連続で不成功に終わりました
石狩河口のチュウヒを見たあと、念のため、防風林に立ち寄りました。
「もしや、もしや」の「岸壁の母」と同じ心境です。
防風林の東側の道路から、防風林越しに巣を見たとき、巣に入っているカラスが見えました。
カラスを見た瞬間、望みは絶たれました。
防風林の西側の農道に回ると、巣のある木にワシが1羽とまっています。
雌でした。
オジロワシに表情はありませんが、子育てに対する思いは、雌の方が何倍も強く、重いでしょう。
人間なら、この悲しみをどう表現するだろうか、と考えました。
この雌が、来年も、ここで子育てにチャレンジするかどうか、それは誰にもわかりません。