ニューズウィーク誌の映画批評で、冷泉彰彦氏にべた褒めされていた「ドライブ・マイ・カー」を観てきました。
ニューズウィーク誌の記事のタイトルは、「ドライブ・マイ・カー」に惚れ込むアメリカ映画界、というものです。
一部を引用すると、
濱口監督の名前が監督賞候補に挙がっていたのです。それだけでも驚きなのですが、実際に2月7日に候補作のリストが発表になると、外国語映画賞、監督賞だけでなく、作品賞、脚色賞の候補にまでなっており、合計4部門にノミネートということになりました。
アメリカのリベラルの人たちは、保守系とは違ってアジアの文化に親しみがあります。ですが、どんどん異なった価値観の方向に進む中国や、「パラサイト」「イカゲーム」など少し息苦しい韓国カルチャーと比較すると、この濱口ワールドが見せてくれる「日本の文化における圧倒的な成熟」というのは、やはり「自分達にとって最も親しい異文化」として感じられるのだと思います。
「濱口監督は日本人として3人目の監督賞ノミネートだけど、他の2人は勅使河原宏と黒澤明なんだよ、すごいと思わないかい?」
というのですから、嬉しくなってしまいます。
ここからは映画の印象ですが、残念ながら、村上春樹の世界は、私の体質に合わないようです。
日本語で読んでも頭に入らないので、文体が合わないのかと思い、「海辺のカフカ」の英語版を買って読みましたが少しも改善されず、今回は、映画なら理解できるかも知れない、とかなり期待したものの、違和感しか残らず、私には無縁の世界でした。
映画が終わって明るくなったとき、周りから感動したらしいささやきは、まったく聞かれませんでした。
この映画を観て、ハルキストは手をたたくのでしょうが、私にはとても信じられません。