「サロベツ発」というブログを主宰されている富士元寿彦氏の「原野の鷲鷹」という立派な本に、オジロワシの年齢の識別法が記載されています。この本を本棚から取り出して読み直したのは、4月6日に、モエレ沼で鯉科の大型魚を捕食したオジロワシの年齢が気になったからです。
本にも記載されていますが、生まれて迎える最初の冬のオジロワシは全体的に褐色(コーヒー色)で、白い羽毛はあまり目立ちません。2018年の巣立ち直後の映像を見ても、そのことはよくわかります。
これと比較すると、今回、鯉科の大型魚を捕食したオジロワシは、明らかに白さが目立ちます。これは、2年目の冬を迎えたオジロワシの特徴と一致します。
同じ基準で、空気呼吸のために浮上した雷魚を、飛びながら空中から捕獲したワシも2歳でしょう。
難しいのは、この先です。オジロワシは、成長とともに、ふたたび褐色の羽毛が増し、一見すると、1年目のワシと似てくるのです。しかし、違いは嘴の色に現れます。3年目のワシでは、嘴の黒味がぐんと薄れてきます。4年目になると、羽毛はますます褐色となり、嘴は黄味を帯びてきますが、そこには個体差もあり、この違いを識別するのは、実際には、なかなか難しそうです。
では、カラスが氷の下から引き出した雷魚を奪おうとした、このワシは何歳でしょう。
嘴の黒味が薄れ、黄味さえ差してきているので、3歳以上であることは間違いありません。その上、頭が白っぽく見えるので、嘴の薄い黒味がなければ5歳にも見えるくらいです。中間を採って4歳として置きましょう。
5年目とそれ以降は、尾の白さと頭部の色合いで識別しますが、太陽光の当たり方で、見え方がかなり違いますから、あまり深入りしない方がいいでしょう。