この横顔は、どう見ても、あの綺麗なオジロワシの雌でしょう。
でも、違うようです。
石狩河口の吹雪が久し振りにやみ、束(つか)の間の好天です。
河口に着くと、あの無神経な探鳥家がスキーを履いて、今まさに土手を下りようとしています。
いつもの流木には綺麗なオジロワシが止まっていますが、飛び立つのは時間の問題で、撮影には一瞬一秒の躊躇も許されません。
ワシのクローズアップと、打ち寄せる美しい波紋、そしてワシの真下で遊ぶ雌雄のカワアイサを、急いで撮影しました。
案の定、オジロワシは直後に飛び立ちました。移動した場所も確認しましたが、撮影はしませんでした。
それよりも、対岸から排雪場にワシがいるのを見ていたので、その確認をしました。
いました。しかし、驚いたことに、排雪場のワシは、間違いなくあの綺麗な雌です。しばらく見ぬまに、嘴にアザができています。
では、先ほどの綺麗なワシは誰?
家に戻って、動画を何度も繰り返し見て、最終的にペアの雄と断定しました。羽毛の色はやや薄いけれども、2羽の顔は姉弟のようによく似ています。