午前9時半のモエレ沼は、快晴無風。絶好の撮影条件、絶好の狩り日和(びより)でした。しかし、こういう日は、えてして収穫が少ない、というジンクスがあります。
狩場に着くと、水面から少し離れた雪上に、3羽のダイサギがいます。魚も捕らず、何やら緊張感が漂っています。お呼びでない、はた迷惑な侵入者が近づいていたのです。
キツネではありません。犬の散歩でもありません。狩場の仁義を無視する侵入者は、カメラを提げたバーダーです。よたよた歩いているように見えたので老人か、と思いましたが、家に戻って、テレビで再生して見ると、けっこう若い人でした。
幸先の悪いスタートです。侵入者は、9時45分に狩場を離れますが、それまでに、3羽のダイサギ、2羽のカモ、そしてキツネとカラスまで追い払っていました。
狩場にカラス以外の鳥が戻ったのは、11時を過ぎてからです。それまで、狩場から200メートル離れたプラタナスの木に止まっていたオジロワシの成鳥さえ、狩場に近付けなかったのですから。
11時過ぎ~正午過ぎまで、2羽の成鳥が交代で狩場に現れましたが、不吉な予感が的中し、狩りは見られませんでした。
狩場の仁義を無視するバーダーに、強い憤(いきどお)りを感じています。