石狩のワシ派、タカ派

札幌と石狩川流域の猛禽類の狩りと子育てを動画で記録します。

黒い仏像に違和感のない日本人

「新年前に「お身拭い」奈良 薬師寺 国宝の仏像のほこり落とす」、年末恒例の記事がNHKに出ていました。私は、高校の修学旅行で薬師寺の真っ黒な仏像を見て、大変驚いたことを思い出します。確証はありませんが、そのとき説明をしてくれた高田好胤さんに、その理由を質問したような気がします。

薬師寺の仏像は、「お身拭い」をするから金箔が剥がれたのか、それとも、金箔がないから「お身拭い」ができるのか、どちらでしょう?

いずれにしても、黒人のように黒い仏像に、日本人は何の違和感もありません。もともと、ブッダが黄金の肌をしていることの意味が、日本人には理解できないのですから。

奈良の大仏も、創建当時は日本中の黄金を総動員したというのに、今は地金のままです。世界中のどの仏教国も、信者が金箔を寄進して、黄金の肌を維持しているというのに。

でも、それは日本人の極めてユニークな価値観の現れです。実は、日本人にとって、仏像は銅の地金のままでも、円空仏のように、木目のあらわな木地のままでも、何の障りもなかったのです。日本の風土には、人の価値を肌の色で判断する伝統が、もともと、ないのですから。